日本が世界に誇れるコンテンツのひとつでカスタマーサービスがあげられます。日本に訪れる外国人観光客は、日本の文化、自然に歴史的建造物などを目的とする以外にも、自国では味わえない日本の素晴らしいカスタマーサービス(おもてなし)を体験も訪日の大きな目的になっています。

日本ではフリーで提供されるサービスは、海外では当たり前のように別途料金をチャージされ、別途料金を払っても、日本のサービスには届かない。そんな声も多く聞きます。ただ近年では日本が世界に誇るカスタマーサービスの低下やほころびが出ているいます。

例えば以前では時間通りの配達リクエストが指定時間より大幅に遅れてしまったり、部署間の連携が上手くいかずに、顧客に送る書類が放置され、何度も連絡をしないと書類一つが届かない。その他にも以前宿泊した際には料理が温かったが冷めていた。宿泊先の掃除が行き届いてなかったなど、がっかりしたとの声も最近増えてきました。

技術立国日本はもう昔の話で、各輸出関連企業はコスト削減を合言葉に、生産拠点をより人件費の安い海外へと移してしまいました。確かに目先のコスト削減は解決しましたが、それは当時の日本の誇る技術も海外に移転し、技術競争力を付けた他国の企業に追い抜かれ、日本の製造業は一部を除いて、残念ながらかなり弱体化しております。 日本はご存じのように資源に乏しい国で、勝てるコンテンツに限りがあります。大きな武器となるカスターマーサービスが、他国と同レベルまで低下してしまいますと、日本は更に魅力のない国になってしまう可能性が出てきます。

 

カスタマーサービス低下の原因

 

カスタマーサービス低下の原因は、いくつか考えられます。

・人材不足

少子高齢化の影響もあり、日本の労働人口は減少しております。 その中でもカスタマーサービスはストレスも多く、人気が高くないため、従事する人材は特に不足しています。

・コスト削減

企業のコスト削減の動きが、カスタマーサービスの低下につながっているという指摘もあります。カスタマーサービスは、企業にとってコストのかかる部門の一つです。そのため、コスト削減のために、カスタマーサービス部門の人員削減や、アウトソーシングを実施する企業が増えています。

働き方改革

・働き方改革により、労働時間の短縮や、フレックスタイム制の導入などが行われています。これらの働き方改革は、カスタマーサービス担当者の負担を軽減する効果が期待されています。しかし、働き方改革がうまく定着しない場合は、カスタマーサービス担当者の負担が逆に増加し、カスタマーサービスの質が低下する可能性があります。

 

などが考えられますが、一番大きな影響を与えたのは、コロナだと言えます。

 

・コロナ蔓延による企業の経営環境の変化

コロナにより、企業の経営環境も変化しました。具体的には、以下のような変化が挙げられます。

* 売上や利益が減少した

* コスト削減の圧力が高まった

このような経営環境の変化に対応するために、企業はコスト削減を実施しました。その結果、カスタマーサービス部門の人員削減や、アウトソーシングを実施する企業が増えました。これもまた、カスタマーサービスの低下につながったと考えられます。

人員削減により、カスタマーサービス担当者の負担が増加し、対応が遅くなったり、丁寧さに欠けたりするようになった。

アウトソーシングにより、カスタマーサービス担当者の知識やスキルが不足し、問題解決能力が低下した。

これらの影響により、顧客の満足度が低下し、カスタマーサービスが低下したと考えられるでしょう。

 

もちろん、全てがコロナの影響が直接的な原因ではない可能性もあります。しかし、コロナの大流行は、日本のカスタマーサービスが低下するきっかけとなったと言えるでしょう。