2021年も残すところあとわずか、今年最後のビジネスコラムになります。

2021年を一言で表すことは難しいかもしれませんが、後世の歴史家が激動と名付けてもおかしくないくらいたくさんの出来事がありました。

賛否両論の中開催された50年ぶりの東京オリンピック、衆議院選挙等々、正直お腹一杯。これが国民の大半の意見ではないでしょうか。

またコロナウイルスは一時的には、落ち着いたかに見えましたが、新種株が発見され、既存のワクチンでは対応できない可能性も高まっております。

2022年は皆様が心穏やかに過ごされることを心より願っております。

コロナウイルスの影響もあり、世界は自由貿易、移民主義から、保護政策への政策転換が相次いております。移民受け入れに比較的寛大だったドイツでも、最終的に移民政策は間違いだったと述べていたくらいです。移民で成り立っているオーストラリアは、従来大量の移民や投資をアジア諸国、特に中国から受け入れておりましたが、コロナウイルスを機会に、中国と決別し、移民だけにのみならが、一般外国人の入国も制限するようになりました。

この様な世界の潮流の中、日本はその真逆の政策を打ち出した事に非常に危機感を感じております。日本には特定の業種に関して、労働者不足を補うために、外国人労働者を受け入れる特定技能制度導なるものが存在しております。

この制度を利用し、毎年アジア諸国を中心とした多くの外国人労働者が日本に訪れております。この制度自体問題が多く、目の前の事だけしか考えていない失敗政策だと言えますが、更にこの制度を利用して来日した外国人に対して、将来的には永住権を与えるルール改正にものすごく危機感を感じております。

そもそもなのですが、どこの国でも母国人の労働環境を保護するために、外国人労働者に対して厳しい規制が課せられております。 例えば母国人だけでは補えない特殊技能の持ち主のみを対象としたり、賃金に関しても母国人よりも高額の給与を義務付ける等が挙げられます。 

日本人スポーツ選手が欧州や米国のチームでプレーをする際に、労働ビザ取得の煩雑さがニュースに流れる時があると思いますが、それをイメージして頂ければわかりやすいと思います。また外国人が日本のプロ野球界でプレーをしたければ同様に手続きが必要になり、各球団何名までと制限が設けられております。

これは日本だけの話ではなく、どの国のスポーツ界でも、母国の選手を保護するために、1チーム外国人選手は何名までとの規定があります。もしこの規定がなければ資金力豊かチームは、その資金力にものを言わせて、すべて外国人選手で固めてしまうと言う現象が起きてしまいます。

優秀な外国人労働者を雇用する事に反対はしませんが、母国人と異なる労働基準で外国人労働者を雇用する事に強い違和感を覚えます。

例えば日本の漁業はここ20,30年で衰退の一方の状況です。厳しい労働条件に加えて、不安定な収入。 海外の漁船に比べて、個室やシャワールームが充実していない等、脆弱な環境では若い世代は就労意欲がわくとは考えずらいです。

この様な労働条件でも母国より遥かに条件が良いインドネシア人労働者が大挙押し寄せ、船内は日本人2,3人、他はインドネシア人と言う漁船も少なくありません。結果かつては漁獲高世界一位の日本は、中国、インドネシア、インドなどに抜かれ、世界10位になってしまいました。

漁獲量の減少は日本人の食生活の変化や200カイリ問題等難しい背景があるとはいえ、日本の優れた漁法や漁具を学んだ外国人は、母国に戻りそれと同じ手法で漁業を始めれば、追い抜かれてしまった点も挙げられます。

企業に取って大きなウエートを占める人件費を考慮するのは企業努力として至極当たり前のことですが、長期的ビジョンを持たずに、安易な人件費削減を考え外国人労働者を選択してしまうと、最終的に自分達の首を絞める事になりかねないです。かつては勤勉だった日本人労働者は、時代の流れとは言え、業種や業務に対してかなりえり好みをする傾向にあります。

もし日本人以上に勤勉で、安価な給与で雇用できる外国人労働者が現れたら、経営者はどの様な判断をするのでしょうか? 答えはおのずと出てきます。しかも一時的な労働者ではなく、日本人とほぼ同等な永久権を与えてしまえば、更に日本人の雇用を奪ってしまう可能性が加速します。

日本は資本主義国家なので競争は当たり前だと言われればそれまでですが、制度があれば頼ってしまうのは人間の常なので、制度自体をもう一度吟味する必要があると言えます。