新年明けましておめでとうございます。

2021年はコロナに振り回され一年でしたが、2022年はコロナが収まり、より自由な生活をと言いたいところですが、新株のオミクロン株が大流行しており、重症患者こそ少ないものの、まだまだコロナウイルスの猛威は収まりそうにありません。

100年ほど前に世界中を大混乱に落としたスペイン風邪も時間と共に沈静化しましたが、あの頃は大陸間の移動は数十日も要する船が基本。現在では24時間あれば地球上のほとんどの場所に移動が可能なくらい交通手段が発達してます。交通手段の発達がコロナウイルスの拡大に一役買った側面は否めません。

現状よりも有効なワクチンが開発されない限り、蔓延を防ぐ手立ては人々の行動制限しかないのかもしれません。 

さて現在日本国内はここ数年では最高ともいえる寒波に見舞われております。特に北海道、東北、北陸は積雪量も多く、雪に強いとされる新幹線も一時ストップするほどでした。

寒くなると当然光熱費はかさみ、一般家庭の家計に打撃を与えております。またそれだけではなく、原油高に伴い、ガソリン代高騰も頭が痛い所です。

更に追い打ちをかけるように、原材料の価格高騰で、食品や生活用品などの値上げも開始され、物価は上昇するけど、給与はそれに伴わず、ますます生活が厳しくなる人も増えていく可能性があります。

その背景には、各国がコロナを完全封じ込めから、経済を考えながら共存の道に切り替え、世界的に原油消費量が増加した。中国などのかつて資源を輸出していた国が、経済の発展で輸入に転じた等々様々な理由が考えられますが、日本の場合には円安もその大きな理由の一つだと言えます。

日本はご存じのように資源に恵まれない国です。石油はもちろんの事、その他生活に必要な鉄鉱石、天然ガス、ボーキサイト等々、ほとんどが海外からの輸入で賄われております。また資源だけではなく、生きていく上での必須項目食料品の自給率は30割程度で、こちらも資源同様に海外からの輸入に依存しています。

円安が進むと他国の通貨に交換する際に、より多くの日本円が必要になります。原油の取引には公用通貨第一位のアメリカドルで支払われるので、米ドルとの為替レートが円安になればなるほど、より多くの日本円が必要となり、それが原油高につながります。

最も円安は悪い事ばかりではありません。海外から見ればより安く日本の製品を買うことが出来るので、資源を購入し商品を作り上げる加工貿易がメインの日本にとっては、円安=商品が売れる。構図が出来上がっていました。

しかしバブル後の失われた時間で、景気低迷、円高ドル安の長期期間の末に、日本企業は生き残りをかけて、コスト削減を目的に、各種生産拠点をよりコストを抑えて生産可能な海外へ移転してしまいました。

それまでは資源を輸入し国内の工場で製品として加工し、世界各国に輸出。この形であれば、より良い製品を作り出すのは日本のお家芸。それに加えて自国で生産する類似製品よりも安ければ、当然海外の消費者は購入します。

この形で日本は日の沈まぬ国、経済大国立国したのですが、円高や貿易摩擦の観点から、生産拠点を海外に移転せざるを得ない状況になってしまいました。

生産拠点は部品のみを生産し、日本に逆輸入し、国内の工場で組み立てて輸出している部分もありますが、それでも価格競争には勝てずに、生産拠点からそのまま輸出。これだと日本国内にはお金が落ちませんので、日本経済が潤うはずがありません。

加えて生産拠点を海外に構えたことで技術が漏洩し、日本製品と同様のクオリティーがあり、更に価格の安い製品を他国が生産する事が可能となりました。

結果円安で輸出貿易には最適の環境でも、国内で生産しているものが減ったので、恩恵を受けられず、逆に割高の資源を輸入しているので、生活が苦しくなる負のスパイラル状態に陥ってしまいました。

コロナは悪影響が非常に多いですが、ある意味我々に警報を促してくれた部分もあります。例えば、住宅を建てる時に、コロナの影響で海外からの資材輸入がストップし、建設がその影響を受けている。 電化製品の部品が海外から届かない等々、それまで目先の利益を追従していたツケを確認できる機会を与えてくれました。

日本は資源がない国で、国を反映させるには、資源を輸入してそれを加工する以外に残念ながら道はありません。 今一度原点を振り返る時期に来ているのかもしれません。