コロナ対策も多少強引ではありますが、ひと段落した感があります。日本の国民性なのか、海外と比べてゲートのオープンに関しては後手後手でしたが、コロナ前に近い状態まで回復したと言えます。
海外との往来が可能となった今、それまで海外とのビジネスを控えていた日系企業の多くが、ここ最近活動を再開しております。 日本国内の市場が今後大きく上向く可能性は残念ながら高いとは言えませんので、販路確保に海外を視野に入れるのは至極当然でポテンシャルも感じさせますが、やみくもに海外、海外と騒いでも思い描くような結果を得られない場合が少なくありません。
近年SNSなどの普及に伴い、海外の情報が以前よりもより身近に手に入れられるようになりましたが、フリーソースでの情報提供は提供者の思惑や主観もありますので、情報の精度は専門家の展開と異なる場合もあります。この辺りの取捨選択。情報リソースの精度を自分でジャッジメントするには、ある程度の基礎知識が必要だと言えます。
例えば海外でビジネスをするには、海外に乗り込んで現地法人を設立する方法があります。ただ現地法人設立は海外進出のファイナルステージと言う位置付けて、その前に行う段階が存在します。
通常のプロセスとしては、まず自社の商材やポテンシャルがあるのかターゲットとなる国を調査するところからスタートします。海外にビジネスの可能性を求めるのは日本では得る事が出来ない利益を求めるのが第一ですので、この段階で可能性が低いのであれば、契約をストップしたり、時期やターゲット国を変えたりする必要があります。インターネットやSNSの発達で、これらの情報発信で十分と判断するのは非常に危険です。
SNSなどはフリーで手に入れられる貴重な情報源ですが、これらに頼るのではなく、費用も時間もかかりますが、航空券を手配して現地に直接渡る必要があります。 また現地に滞在するのは一度ではなく、数度出来れば季節などをずらして滞在すると1年を通した大まかな現地経済や習慣などを体験できます。この肌感覚を感じることが海外でのビジネス成功の一里塚になります。
次に可能性があると判断できれば、現地の協力者又は協力企業(ディストリビューターなど)と提携をして、自社商材の知名度アップや普及に努めます。
これらのプロセスを経て十分な利益が出ているな。現段階の方法では効率が悪いなと判断出来て初めて現地法人を設立及び現地に乗り込む(人員を送る)モデルが見えてきます。現地法人設立だけを見れば、比較的簡単に箱を作ることは可能です。ただお飾りの箱を作りそれを維持するだけで、何かと費用が発生します。それらの費用を十分にペイ出来る様になって初めて、海外法人設立と言う流れになります。
また海外法人を設立して誰が現地のオペレートを行うのかも重要なポイントです。現地の国籍又は永住権などの就労に何ら問題がないビザ所有者にオペレートを任せるのは、ちょっと不安だと考えるのであれば、日本から自身又は誰かを現地に派遣する必要があります。その場合には就労ビザ等の何らかのビザを取得しなければなりませんが、このビザ取得はそれなりにハードルが高く簡単ではないのを理解する必要があります。
海外に販路を求めるのは決して悪い選択ではありませんが、SNSなどの情報を鵜吞みにするのではなく、まずは時間とお金、労力をかけてでも現地の情報を肌感覚で経験することをお勧めします。