前回に続き日本農業の国際化における問題点を書き進めていきます。

 

日本は他の先進国と比べてもずば抜けて、食の国内自給率が低い国となっております。歴史の紐をとくと、日本は元々農業がメインの国の産業で、それを補助する形で軽工業が行われていました。中でも日本人の主食にあたる米を柱としたいわゆる米本位制度が経済の基盤となっておりました。特に江戸時代の徳川幕府は,幕藩体制の財政基盤として,徹底した米本位制度を実施しました(石高制)。石高制の下では,藩の規模から武士の給与に至るまで, 全てが米の生産能力で表され,これに基づいて年貢が課税されておりました。そこから各大名、領主は,自家消費分を除いた米を販売し・その代金であらゆる物を購入することで、生計を成り立たせていました。

江戸中期では米本意制度が限界を迎え、貨幣経済が整いだしましたが、日本の農業が大きく変換したのは、江戸時代が終わり、鎖国から開国、明治時代がスタートしてからだと言えます。商品を安い所から高い所に売るのは世の常。売れないもの、生産性が低い物は切り捨てられて、物価上昇率が大幅に上がったのもこの時代で、令和現在の大幅な物価上昇や世の中の乱れ具合がある意味似ているかもしれません。

さてただ今日の現状を考えると、明治時代よりもこと農業に関しては、更に困難で今後日本の農業を営むのが難しい時代となっていると言えます。

国際化の波にのまれずに、上手くリフトオフするのが日本農業の未来だと思われますが、およそ150年前と異なり、交通手段、通信網などの発達と、国内情勢の悪化が妨げになっております。

 

1. 農村地域の衰退

農業の衰退に伴い、農村地域も衰退しています。農村地域の人口減少や、商店の閉店などが問題となっています。農村地域の衰退は、以下の要因が考えられます。

農業従事者の減少: 農業従事者の減少により、農村地域の人口が減少

農業の低収益性: 農業の低収益性により、若者が農村地域から流出

公共施設の整備の遅れ: 農村地域では、公共交通機関や医療機関などの公共施設の整備が遅れ

 

対策と展望

農村地域の活性化: 農村地域の活性化策を推進し、人口減少や商店の閉店などの問題を解決する必要があります。具体的には、新規就農者の促進や、農産物の加工・販売事業の支援などが挙げられます。

公共施設の整備: 農村地域における公共施設の整備を推進し、生活環境を向上させる必要性

情報通信技術の活用: 情報通信技術を活用し、農村地域の課題解決を図る必要があります。具体的には、オンライン診療や、ネット通販の支援など

 

 

2. 気候変動の影響

近年、地球温暖化などの気候変動の影響により、異常気象が頻発しています。異常気象は、農作物に被害を与え、農業経営を圧迫しています。

 

対策と展望

気候変動対策: 気候変動対策を推進し、異常気象の影響を軽減する必要があります。具体的には、温室効果ガスの排出削減や、治水・排水事業の整備など

耐暑性・耐寒性品種の開発: 耐暑性・耐寒性のある農作物の品種を開発し、気候変動の影響に適応できる農業経営を目指す必要性

農業保険の活用: 農業保険を活用し、異常気象による被害を補償

 

3.国際情勢の変化

近年、国際情勢が変化しており、貿易摩擦や地政学的リスクなどが高まっています。国際情勢の変化は、日本の農業輸出に影響を与える可能性があります。

 

対策と展望

多角化: 輸出先を多角化し、特定の市場への依存度を低減する必要性

リスク管理: 為替リスクや政治リスクなどのリスクを管理し、海外市場での事業展開を安定化

政府による支援: 政府は、農産物の輸出促進のための支援策を充実

 

日本の農業の国際化には、様々な課題がありますが、政府や自治体だけに頼るのではなく、農家自身で情報収取や国際情勢を勉強する事で実を結び、延いては国際競争力のある農業へと発展へにつながると言えます。