コロナやウクライナ、ガザ地区などの紛争の影響で、それまで堅調だった国を跨いだ国際的なサプライチェーンが壊れつつあります。
日本は資源に乏しい国なので、海外からエネルギーや食糧などを輸入していかないと、我々の生活が成り立たなくなります。
食料自給率は年々下がる一方で、小麦や肉類だけでなく、野菜や果物、魚類なども今後自給率が下がると予想されております。
海外に生活のインフラを預けてしまった結果、急激な物価高に直面してしまい、ますます我々の生活が厳しくなってしまいました。
資源が乏しいのは、海洋、海底開発など従来では人が届かない、採算ベースが合わない事業で、将来改善の余地がありますが、生活で一番の柱となる「食」に関しては、政府も音頭を取り、国際化や海外に輸出をすることで、農業の発展を促そうとしておりますが、様々な理由から思うような成果を上げられておりません。
日本の農産物は、価格競争力において、海外産農産物に劣っているという課題があります。これは、以下の問題点が国際化を妨げる要因及び影響していると考えられます。
・規模の経済性の欠如: 日本の農業経営は、小規模経営が多く、機械化や省力化が十分に進まず、生産コストが高くなっています。
・労働生産性の低さ: 農業従事者の高齢化や担い手不足により、労働生産性が低い状況です。
・農地の減少: 都市化やインフラ整備に伴い、農地が減少。
・農業従事者の減少: 農業従事者が減少しているため、生産量が残念ながら減少しております。
また日本の農業は、深刻な担い手不足に直面しています。2020年の農業従事者は263万人人で、過去最少の水準となっています。担い手不足の要因としては、以下の点が挙げられます。
・農業の低収益性:
農業は、他の産業と比べて収益性が低く、若者が農業にあまり従事したがらない現状があります。
・農業の労働環境の悪さ:
農業は、長時間労働や重労働が多く、労働環境が悪いというイメージが根強くあります。
・農業の後継者不足:
農業経営者の高齢化が進み、後継者が不足しています。
規制の多さ
日本の農業には、様々な規制があり、経営の柔軟性を阻害し、効率的な生産活動を難しくしています。
農地の売買規制: 農地の売買を規制する法律があり、農業経営体の規模拡大にブレーキをかけています。
農産物の生産・販売規制: 農産物の生産方法や販売方法を規制する法律があり、農家の自由度を奪っている可能性があります。
農業経営に対する補助金の規制: 農業経営に対する補助金の申請や利用に様々な規制があり、使い勝手の良くない条項が多く、申請者は多くの時間をペーパーワークに費やす必要があります。
今後の対策としては下記の事柄が考えられます。
農業経営体の規模拡大を支援することで、機械化や省力化を進め、生産コストを削減する必要があります。具体的には、農業法人への転換支援や、共同経営の推進などが挙げら
農業従事者の労働環境を改善し、担い手不足を解消することで、労働生産性を向上させる必要があります。具体的には、農業機械の導入支援や、農業研修の充実などが挙げられます。
農業に関する規制を緩和し、経営の柔軟性を高め、効率的な生産活動を促進する必要があります。具体的には、農地の売買規制の緩和や、農業経営に対する補助金の簡素化などが挙げられます。
国内農業の振興策を推進し、食料自給率の向上を目指す必要があります。具体的には、農業経営体の規模拡大支援や、新規就農者の促進などが挙げられます。
食料消費の意識改革: 国民の食料消費の意識改革を図り、国産農産物を積極的に消費するよう促す必要があります。具体的には、国産農産物のPR活動や、食育教育の推進などが挙げられます。
国際的な連携を強化し、海外からの安定的な食料供給を確保する必要があります。具体的には、自由貿易協定(FTA)の締結や、国際機関との協力などが挙げられます。
以上の点が今後日本の農業が国際化を推進し、生き残るために必要な要素だと言えます。