かつて自動車、電化製品など「安くて高品質」の代名詞だった「メイドインジャパン」が、近年その輝きを失いつめているのは残念ながら事実です。輝きを失ったの理由はひとつだけではなく、いくつかの理由が考えられます。今回は様々な角度から検証を行います。

1. 変化する市場ニーズへの対応遅れ

高度経済成長期から続く「モノづくりイズム」に基づくプロダクトアウト型戦略は、徹底した品質管理と高度な技術力によって高品質な製品を生み出すことに強みがありました。しかし、近年は消費者のニーズは多様化しており、機能性や性能だけでなく、デザイン性、ブランドイメージ、価格、利便性なども重視されるようになっています。
しかし、日本の多くの企業はこうした市場ニーズの変化への対応が遅れており、消費者の食指をそそる様な魅力的な製品を開発できていないという指摘があります。例えば、スマートフォン市場においては、日本のメーカーはかつてガラケー市場を席巻していましたが、iPhoneの登場以降は急速にシェアを失い、近年は中国や韓国のメーカーに押されています。

2. マーケティング力の弱さ

高品質な製品を作ることができたとしても、それが消費者に伝わっていなければ意味がありません。日本の企業は、欧米企業に比べてマーケティング力に弱いと指摘されています。特に、デジタルマーケティングやグローバルマーケティングへの対応が遅れていると言われています。

例えば、欧米企業は、SNSや動画配信サービスなどを活用した巧みなマーケティング戦略で、世界中の消費者を魅了しています。一方、日本の企業はこうしたデジタルマーケティングへの取り組みが遅れており、せっかくの優れた製品も消費者に知ってもらえないという状況が続いているのです。

3. グローバル競争の激化

中国や韓国などの新興国が台頭し、製造業における競争が激化しています。これらの国々は、人件費の安さや政府による支援などを武器に、日本の企業よりも低価格で高品質な製品を製造・販売することができるようになっています。

また、欧米企業も技術革新に積極的に取り組んでおり、日本の企業の優位性を脅かしています。こうした状況下で、日本の企業は競争力を維持するためには、コスト削減や技術革新だけでなく、新たな市場開拓やビジネスモデルの構築など、抜本的な改革が必要となります。

4. 消費者意識の変化

以前のコンシューマーは、高品質で長持ちする製品を好む傾向がありました。しかし、近年は消費者の意識は変化しており、価格やデザイン性を重視する傾向が強まっています。

また、近年は環境問題への関心が高まっており、サステナブルな製品を求める消費者も増えています。こうした消費者意識の変化に対応するためには、企業は製品の価格やデザイン性を改善したり、環境に配慮した製品開発を進めたりする必要があります。

この様な様々な理由から「日の沈まぬ国」と呼ばれたジャパンブランドの凋落が起きてしまいました。
この他にも日本独自の経営方法もグローバル化に対応出来ていない大きな要因の一つだと言えます。