連日総務省の発表で日本人口が前年度から55.6万人減少となり、これで12年連続の相人口減となってしまいました。 総人口はおよそ1億2千万人と世界第11位で世界の国数は195か国(日本が承認している国数)ですので、かなり上位に位置していると言えます。
人口=国のポテンシャルと考えられていますので、その観点から考えると一見日本はまだまだポテンシャルが高い国と判断できるかもしれませんが、問題は年齢別の人口比率で、通常若年層が多く、老人が少ないピラミッド型が理想ですが、医療制度が進んだおかげで寿命が延びて老人の割合が高くなっている反面、出産率は年々下降線をたどっており、かろうじてベビーブーム世代の中年層の割合が高いので、老人が多い逆ピラミッドを避けられていますが、このままの流れではそう遠くない時代に、若者1人で老人を3人支えるような、国の根底を揺るがす事態に発展する可能性が高いと言えます。

 そこでやっと国は重い腰を上げ少子化対策に着手しましたが、正直場当たりの本気で少子化対策を考えているのかと思われる程度です。 例えば出産手当に手当てに対して、助成金の金額を上げたとしても、それに伴い病院側が出産費用を上げてしまえば、差し引きゼロ。最悪手出しが増えてしまう可能性も否めません。出産率を上げたければ出産に関する費用を保険適応又は全て国が負担にすれば、出産費用に関して不安を感じている若い世代でも、子供を持つことの不安をかなり削減できると考えられます。

手厚い保護を受けられるオーストラリア

 国土は日本の約20倍あるオーストラリアですが人口は東京都と同じくらいになります。 国は国力増加の為に積極的な子育て支援を行っています。 例えばオーストラリア国籍及び永住権保持者にはメディケアと呼ばれる日本の国民健康保険が支給されています。これを保持していれば公立医療機関での診察は基本全て無料、私立でも一部支援してくれます。

 補助金やサポートも非常に充実しており、出産時の補助金、育児休暇の援助金が最大で18週間分、父親やパートナーへの助成金がこちらは2週間分、家族税給付金が子供が19歳の年齢になるまで、2週間毎に支給されます。
 その他にも子供がディケアー等に通う場合には、政府認定の施設であればこちらも全額免除になります。 また祖父母が孫の面倒を見る場合には、どの程度孫の面倒を見るのかで異なりますが、条件次第ではこちらも補助の対象となります。

 公的な支援だけではなく、民間のプレイグループ等も非常に充実しており、3ドル程度の安価な金額で参加が可能で様々な交流や助言などを行い、出産前や出産後のセンシティブな状況でも十分なサポートを可能としています。

 日本ではようやく育児休暇を認め始めていますが、オーストラリアでは育児休暇は当たり前、日本よりも遥かに先を進んでいます。
従業員は最大で12か月の育児休暇が認められてますが、更に申請を行えば最大でもう12か月の延長が可能です。また企業が従業員の為に幼稚園を運営し、従業員を安心して子供を預けられる福利厚生も充実しています。

 ここまで少子化対策をしてやっと人口比率のピラミッドが変更可能になりますので、現状日本政府が考えている少子化対策では残念ながら不十分だと思えます。