海外の人間から日系企業とビジネスをしたい。日本に販路拡大の可能性を模索したい。との声は定期的に届きます。
世界の位置づけからすればファーイースト。極東の島国で、バブル期には日の沈まぬ国と世界中から注目を浴びた日本ですが、その後バブルがはじけ、長らく不況から脱却できない日本ではありますが、まだまだ日本ブランドやメードインジャパンの信頼度は決して低くはありません。
また日本の人口はおよそ1億2千万人。世界ランキング11位になります。人口=市場の大きさという、マーケティングの観点から見ても、お隣の中国に比べれば10分の一ですが、コモンセンスの順守やその他のトータル的なパッケージから、まだまだ日本市場は無視できない位置づけなようです。
ただ日本に進出した外資系企業も、日本市場に根付くのは容易ではないようです。まず日本は国際社会とは大きく異なる、ガラパゴスと表現しても良いくらいの、独特の文化や商法が存在しています。
例えば海外では当然のようにリクエストされる付加的なサービスは、日本では当たり前のようにタダです。ある意味過剰とも言える日本独自の過剰なサービスは、外資系企業では不必要な物。なぜ追加の料金を取れないのだとクエスチョンマークがいくつも並んでしまう所です。
よってジパングを目指した外資系企業は、世界基準と大きく異なる日本独自のルールに適合できずに、数年で撤退するケースも少なくありません。古来より四方を海で守られている日本ですが、ある意味経済も独自の文化のお陰で守られている部分もあると言えます。
ただ日本独自のルールに慣れ親しんでしまうと、逆に海外進出の足かせになってしまいます。近年国際化やより大きな市場を求めて海外に活路を見出す日系企業が増えてきていますが、残念ながらその多くは捗々しい結果を残せているとは言い難い現状があります。
その理由はいくつもありますが、ビジネスのスピード感覚の違いも大きな理由になります。海外ではこれは欲しい&良い物だと判断すると、その場でダイレクトなプロポーサルをしてきます。場合によってはその場でお互いの条件を満たせば契約成立となるケースも少なくありません。
このキャッチボール的な反応&応対が海外では必要不可欠の条件で、その場で一度上司に相談するとか稟議にかけるとなってしまうと、そのまま話が流れてしまう可能性も低くはありません。
恐らくその背景には農耕民族と狩猟民族の文化的な存在が考えられます。じっくり腰を据えて物事を熟考するスタイルと欲しものがあればハントする。この違いだと言えます。
どちらが良いとか悪いとかではなくスタイルの違いで、外資系企業が日本市場を目指すのであれば、日本スタイルに合わせるべきですし、日系企業が海外を視野に入れるのであれば、やはり海外のルールに合わせる。それだけのことだと言えます。
また基本的に外国人は熱しやすく冷めやすい傾向にありますので、問い合わせ時点ではかなりポジティブな反応を示していたとしても、対応に時間を有してしまうと、興味が薄れ回答した時点では、もう他の商材に興味を示している。そんな状況も少なくありません。
海外市場に打って出るには、海外モードのスピード対応も必要だと言えます。