日本政府は海外からの観光客や海外からの日本人帰国者に対して、条件付きではあるけれども、72時間前のPCR検査を撤廃する旨を発評しました。

世界ではウイズコロナが浸透しており、行動制限やマスク着用の義務などが撤廃され、コロナ前の生活を取り戻しつつあります。日本政府もその流れに乗って、コロナワクチン3回以上接種者に限り、事前PCR検査が不要としたようです。

確かにこの72時間前のPCR検査はかなり面倒で、特に言葉の壁があり、日本的なサービスに慣れた日本人では、海外でPCR検査を受け、その検査まできちんと受け取るのは、少々ハードルが高いかもしれません。

また最近急激な円安も日本政府が入国条件化緩和させた大きな理由の一つだと言えます。コロナの影響で特に観光業界は大きなダメージを受けていますので、円安で外国人観光客を受け入れ、景気回復の起爆剤にした趣旨は理解できますが、万事外国人に甘い日本の政策はきちんとコロナの水際対策が出来るのかどうかの疑問符もわきます。

門を開いたのは良いけど、またコロナの大量輸入だけは避けないといけないと思えます。

日本人の海外との往来のハードルが下がったことで、コロナ蔓延期間中完全ストップしていた海外販路開拓の動きがかなり出てきました。まだまだコロナ前の様なペースではないのですが、海外では大規模な展示会などが開かれており、そこに積極的に参加する企業も少しづつですが増加の傾向にあります。

日本国内の市場は今後大きく跳ねる可能性は残念ながら少なく、より多くのビジネスチャンスを求めて海外市場に進出する事は、今後日系企業が生き残るために必要不可欠な大きな要素です。ただ外資系企業とビジネスをするうえで、避けては通れないものがあります。それは“契約”です。

日本では海外と比べて契約書の重みが軽い様に思われます。まず契約書の中身も数枚程度で済ませているものや、内容も大雑把で細部まで事細かに明記されているものが多くみられます。その他にも契約書をあまり良く読まずに署名、捺印をされてしまう人も少なくありません。

更に驚く点は契約を交わした後に、条件をあまり読んでいなかったのか、内容の変更を気軽にリクエストをする点にも驚かされます。

これは日本では当たり前の商文化かもしれませんが、これを海外で同じようにやってしまいますととんでもないペナルティーが科せられます。場合によっては契約違反として訴訟や損害賠償まで発展する可能性もあります。

こういった背景に、日本人が交渉に慣れていない、契約書を出されたら内容に異議を唱えずに署名するものと勘違いしている文化があると言えます。相手側からきちんとした契約書を出され雰囲気的に署名をせざるを得ない状況もイメージは出来ます。

イメージは出来ますが、そこで内容に満足できない又は、不鮮明な部分があれば、どんな些細な事でもきちんと主張するのが海外ではごくごく当たり前のことです。契約内容に納得しないまま契約を交わしてしまい、後々泣くはめになったその様な話は多々耳にしております。

契約書は作成した側が、自分達に有利に作成しているのが世の常で、それに合わせていたのであれば自社を守り、利益を産み出すことが出来ません。契約書に署名をする前に契約内容を納得するまで交渉。これが外資系企業とのビジネスやりとりに欠かせない事柄になります。