今回もご好評につき、ビザ関連の話を書き進めていきます。

日本国籍は世界の中でも最強と言っても過言ではないくらい、信頼されている国籍です。

事実日本のパスポートがあれば、3か月くらいの滞在はノービザで入国できる国がほとんどです。また観光ビザ、学生ビザなども日本戸籍保有者は他国籍者よりも、比較的容易に取得する事が出来ます。
 
例えば私が居住しているオーストラリアは移民で成り立っているので、日本とは異なり移民省が設置され、さまざまな移民法が制定されています。その中に、ビザが取得されやすいランキングみたいなものも存在します。

つまり、国際的に信用がある国籍の人はビザが支給されやすく、反対に、このランク付けが低ければ低いほど、国際的な信用がない(不法滞在が多いなど)と判断され、ビザの発給が難しくなります。

試しに日本国籍の人が学生ビザを申請したとして、健康診断証や学校側から発行される公式の授業料支払済のレシートなどがあれば、割と早めに学生ビザが支給されますが、これがランク下位の国籍だと、預金残高証明書だ、移民局の担当官と面接だ、などなど、日本人と比べて圧倒的に、求められる書類&提出しなくてはならない書類が増えます。しかもビザ受領の時間も、日本人と比べて、長時間待たされることになります。

ただこれが所謂お客様扱いの観光ビザから、彼らの利権を侵す可能性が高い就労と居住が可能なビザの取得となると話が異なります。

特に市民権保持者と何ら変わらない権利を有する永住権になれば話は別で、ランキング上位の日本人だとしても、他の国籍の人と同様に、えら~い長い時間結果を待たされる羽目になります。

待たされるだけならまだしも、あれを出せ、これを出せはもちろんのこと、ひどい場合には提出したはずの書類を一から全部出せと言われる場合もあります。私は幸運にもそのような目に遭いませんでしたが、実際に移民局から要望された人を何人も知っています。

書類の再提出について、もっともらしい言い草を先方はしていますが、我々の間では 「書類をなくしてしまったので、もう一度出せと要求しているのだ。絶対そうだ」 とみんな言っています。
 

ビザの申請は慎重に

オーストラリアで就職したい。私はそんな相談を頻繁に受けます。繰り返しますが、オーストラリアで働くには何らかのビザを取得しなくてはなりません。学生ビザやワーキングホリデービザでも、規定内でなら就労ができますが、やはりフルタイムで就労できる就労ビザや、永住権を希望する人が後を絶ちません。

「どうしたらビザが取れますか」 「ビザを楽に取る方法はありませんか」。

近年は就労ビザや永住権を取得するのが困難になっているので、気持ちはわからなくもないのですが、残念ながらビザ取得には近道がありません。ただその代わり、移民局が求める条項を一つひとつ潰していけば、必ず手に入れることができます。

楽しようとしていくつかの手順をスキップしようとすると、後からそのツケを支払わなくてはならない面倒な状況に陥らないとも限りません。取得が困難なビザになればなるほど、それまでのビザがごちゃごちゃしていると、はじかれてしまう可能性があります。

「ビザ申請は慎重になってなりすぎることはない」 これが経験者として私が言えることです。