新年明けましておめでとうございます。 今年も宜しくお願い致します。 

ここ2,3年は日本に限らず世界中がコロナにかき回されてきました。 2023年の世界は少しは落ち着きを見せるとの希望的な観測もありますが、コロナだけではなく、ウクライナ問題などまだまだ予断は許さないと思われます。

さて現在世界のコロナ対策ですが、国境をオープンにしておりますが、WHOも警告を発するくらい中国国内でのコロナウイルス蔓延が拡大しております。 また中国の旧正月の民族大移動に合わせて再度コロナが大爆発をする恐れもあり、今後の各国の対応が注目されています。

 西側諸国は対コロナ政策の一環として、中国からの入国者に対してPCR検査の証明書などの水際政策を実施していますが、中国はそのカウンター政策として日本と韓国に対して国内でのビザ発給停止と言う、驚くべき政策を実施。これによって、中国国内から日本には入国可能で、日本から中国には入国が出来ない、何ともいびつな関係が出来上がりました。

通常ならば国際社会の常識として、やられたことは同じことをする。つまり日本も同様に中国国内でのビザ発給停止をするべきなのですが、コロナで疲弊した日本経済にチャイナマネーは未だに魅力的に映るのか、目には目を歯には歯を、のカウンター政策は難しいのかもしれません。

 ゼロ金利政策を選択していた日本ですが、米連邦準備制度理事会(FRB)が連続利上げを実施。またFRBに追従する形で欧州中央銀行(ECB)も4会合連続で利上げを行い、その影響をもろに受ける形で、1990年以来実に32年振りとなる米ドル/円レート150円を突破する事態になりました。2021年末には115円でしたから、実に10か月で30.5%もの円安が進んだ計算になります。
 
この間日銀は為替を落ち着かせようと、24年振りとなる為替介入を実施。その金額は6.3兆円だったと公表されました。日銀の為替介入のお陰で、一時的に円安はストップしましたが、あくまでも一時的で、その後円安の流れを止める事は出来ませんでした。

 ウクライナ問題の影響で、小麦などの食物の高騰、エネルギーの価格高に拍車がかかる現状では資源や食料の大半を海外に依存している日本は、モノ不足による世界的な価格高騰に加えて、円安と言うダブルパンチに一般家庭の家計に大きなダメージを与えました。

 他国に比べて給与が上がらず、コロナの傷跡がまだまだ回復していない日本では連鎖倒産する企業が増加しています。政府及び日銀もここにきてやっと0.5%の利上げを実行し、ようやく米ドル/円レートが130円を切り、128円前後で落ち着きを取り戻しました。

 各国の主要中央銀行が連続利上げを実行しており、現状を考えれば選択し得る唯一の政策だと言えますが、今後海外からの輸入品の価格が落ち着く可能性がある反面、住宅ローン(変動型)を組んでいる人への影響か、会社経営を継続するための金融機関からの追加融資や、起業の為の融資を受ける際には、現状よりも高い金利で融資を受けざるを得なくなり、それが経済活性化の足かせになる可能性も出てきております。

 日銀総裁の任期が迫っており、次期総裁の判断次第では更なる円高になるのか、はたまた金融融和を優先するのか、いずれにしても難しいかじ取りが予想されます。